Stay Small: 小さく保つ
ここ数年自分の中で気に入っているコンセプトが、Stay Smallです。意味はそのまま「小さく保つ」です。自分がこれについて考えていることと具体例を簡単に書いておきます。
何かの数を増やして問題解決を試みる機会というのはそれなりにあると思います。例えば:
- フォルダ・ファイルを増やして、構造を作る
- 関数を増やして、処理を切り分ける
- ドキュメントの数を増やして、情報を分離させる
- Slack・Discordのチャンネルを増やして、会話内容を分ける
- GitHub Issueを増やして、バグやタスクを網羅する
- 人を増やして、組織を大きくする
- プロダクトに機能を増やして、幅広い要求に対応する
- 使うアプリを増やして、体験する
- 習慣を増やして、何かを習得する
上記にあげたものは、一時的な解決策になるかもしれませんが、長期的には以下のような問題を引き起こします。
- 管理コストの増加
- 複雑性の増加
- 情報の分散
- 重複
また、一度増やしてしまったものを後から減らすことは思いのほか難しいことが多いです。これには以下のような例が考えられます。
- CLIツールのoptionは、次のbreaking changeまで削除できない
- 一度採用した人材は、正当な理由が揃わない限り解雇できない(国の法律に依る)
- (一見良いように思える)習慣は、それを失うサンクコストによってやめられない
- 採用した技術やツールに、すでに慣れてしまったため離れられない
これらは、いずれも自分が見たことのある・経験したことのあるものです。増やすと身動きが取りづらくなりますし、増やしたことによる問題の解決に時間が取られます。まず、小さく初めて、コントロールできる範囲でスケールさせていくことが重要なのではと思います。